水平分業体制の確立
次に、累積債務問題解決のために貿易黒字国の途上国からの輸入をふやすこと。
途上国の累積債務問題を解決するためには、基本的には途上国の輸出競争力と成長力を強化することが前提です。
しかし、その間、先進国とくに貿易黒字国からの資本還流計画をつくることも大事ですが、より大事なことは貿易黒字国がより「積極的に輸入」をふやすことです。
アジア地域には、人種的・宗教的・政治的・経済的にそれぞれの特性を持った多様な国家が存在します。
ECとちがって、アジアは1つではありません。
しかし、この地域は全体としてみれば、経済発展は他の地域より順調でした。
これからの発展の可能性も高いのです。
それをいっそう確実にし、その発展と安定を全世界に波及させるためには、この地域の水平分業体制を確立すべきです。
その際、それぞれの地域、とくに日本とアジアNIESならびに政治的影響力の強い中国の役割について、十分に検討する必要があるでしょう。
アジア地域では、長いあいだ、水平分業体制ができませんでした。
事実、先進国との垂直分業が多く、貿易の絶対額も域内よりも対域外のそれが大きかったのです。
それは、第1にこの地域の多くの国は先進国の旧植民地ないし従属的な国家であったからであり、第2に、主要産品が原料・農産物であって、工業基盤が弱かったからです。