順調に推移する世界経済 3
祭りは、その華やかさの裏に、いつも冷ややかさをともなうものである・・・というつもりはありませんが、世界経済には浮かれるには深刻すぎる幾つかの間題があるのです。
幸い、絶望するには早すぎます。
よい材料もありますし、それに何よりも、各国の協力によって克服しうるものだといってよいでしょう。
もっとも、今度こそは掛け声としての国際協調でなく、実行のともなった国際協調が必要なのです。
そうでなければ、今度はさきの"ブラック・マンデー"より、もっと深刻な打撃を受けることになるでしょう。
中期的・構造的な諸困難は増幅的な相互作用の結果ですが、一応次の4つに整理することができるでしょう。
まずは国際収支の不均衡と南北格差について。
その第1は、国際間、とくに大国間における国際収支の不均衡。
なかでも世界貿易の20%を占める日米貿易の不均衡のもたらす影響は大きいものです。
アメリカの1988年の経常収支赤字=253億ドルと日本の同黒字795億ドルは、OPECやNIESを含めたいわゆる開発途上国・地域全体のGNPが2兆3千億ドルであることと比較してみても、いかに巨大な不均衡なのかがわかります。
この日米の不均衡は、アメリカにおける保護主義的傾向を助長しただけでなく、それに触発されて多くの国の保護主義を強めました。
またアメリカの経常収支赤字は、日独などの黒字国からの資本流入によってファイナンスされましたが、その結果、アメリカは今では世界最大の対外純債務国になりました。
もちろん、そのことと開発途上国の累積債務と同列に比較することは適切でありません。
しかし、事実として基軸通貨としてのドルの不安定がもたらされました。
アメリカの経常収支赤字が続くかぎり、その不安は消えないのです。