脳と行動の発達
脳のチェック機構が作動することによって、ある程度障害児の発生が防がれています。
出産時障害の場合にもこの安全チェックが働くので、程度にもよりますが難産が必ずしも脳障害を伴うとはかぎらないのです。
障害児発生の病理を強調することによって、それのみが誇張して伝えられると、いたずらに自然に進行するはずの出産まですべて不安をもって見守らねばならないことになります。
障害児発生の問題が決して簡単ではないのは、統計的な数字と特定の個人の受け取り方とがちがうということもあります。
たとえば0・1%ならば障害発生は稀であると医学的には言えてもその1000分の1に当たった当事者にとってはその重大さはまさに100%と考えられるわけです。
障害発生予防の困難性はこんなところにもあります。
次に脳発達の部分性(局所性)と全体性とに触れてみましょう。
脳の働きを考えるときに特定の脳部位とその働きということがよく言われます。
すなわち脳作用の局在です。
たとえば前頭脳の弁別能力、頭頂脳の運動や体感覚に関する能力、後頭脳の視覚識別能力というような脳の局所とそれに対応する能力ということです。